レジリエントなインフラの構築に向けたアイデア -コンクリート工学分野を中心に-
講師:六郷恵哲(岐阜大学名誉教授)
令和2年6月25日(木)14:30~16:00
この技術講演会は、岐阜県生コンクリート工業組合の第20回技術研究発表会に合わせて開催されたものです。同工組は生コン技術大会に応募する論文選考を兼ねて技術研究発表会を隔年で開催しており、それに合わせて技術講演会を併催しています。今年は、新型コロナウィルス感染症対策として、技術研究発表会の規模を縮小して開催することにし、技術講演会はオンラインによるWebセミナーとなりました。同工組がWebセミナーを開くのは初めてであり、Webセミナーではリアルタイム配信だけでなく、動画サイトの「YouTube」によるオンデマンド配信も行い、受講者の都合の良い時間に視聴できるよう配慮されています。
技術講演会は、岐阜大学の六郷恵哲名誉教授による「レジリエントなインフラの構築に向けたアイデア〜コンクリート工学分野を中心に~」の演題で、岐阜大学構内からリモートでの講演が行われました。新たな試みとして、講演資料は自動音声機能を使って読み上げられ、示されたパワーポイントの内容について、六郷教授が補足解説する形式が採用されました。
講演内容は「災害に強くしなやかなインフラを造るためのアイデアについて考える」で、六郷教授から、高靭性モルタル(HPFRCC)の実装、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)で取り組んだロボットを用いた橋梁点検などが紹介されました。また、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、人との接触や移動の減少、社会的距離の確保が求められる社会になる中で、今後は少人化、遠隔操作の技術が拡大すると指摘されました。これまでは、コンクリート分野の新技術の多くはニーズ解決型だったが、これからは課題を解決するための組み合わせ方を示す「ニーズとシーズのマッチングが非常に重要になる」とし、マッチングに向けたアイデアを構想する重要性が説明されました。
当日の講演用資料
コンクリート新聞(2020年7月2日)の記事