各務原市でUAVによる橋梁点検性能の確認・調査を実施

各務原市では,最近の性能向上が著しいUAV を使って,法定点検が義務付けられた橋梁の点検に活用することができれば,近い将来に点検費用の圧縮や点検時間の短縮を図れるのではないかと考え,岐阜県建設コンサルタンツ協会に呼びかけ,試験飛行会を実施しました。 試験飛行会は,平成29年2月14日(火)に,木曽川に架かる各務原大橋(写真ー1.橋長594m,PC10径間連続フィンバック橋)を対象として,岐阜県建設コンサルタンツ協会員が所有する5基のUAVが参加して行なわれました。 岐阜大学SIP実装プロジェクトからは,研究責任者の六郷名誉教授をはじめ4名の研究者がオブザーバーとして参加し,協会員が実業務で利用しているUAVの橋梁点検への適用に関する性能確認に立ち会いました。 現状のUAVによる橋梁点検への利用については,橋梁への近接撮影(写真-2)という観点で克服すべき課題があるものの,橋梁点検の事前調査には十分適用可能であるとの印象を受けました。橋梁近接のために独自のプロペラガード(写真-3)等の工夫をしたり,UAVに温度センサー(写真-4)を搭載しコンクリート面の浮き点検したりするチームもあり,協会員の橋梁点検へのUAV活用への積極性が感じられました。SIPで開発中のインフラ維持管理技術の実装については,このような新技術に対して積極的な自治体や地元企業の協力が不可欠であると感じました。

  • 写真-1 各務原大橋全景(木曽川右岸)
  • 写真-2 構造物への近接状況
  • 写真-3 プロペラガードを取り付けたUAV
  • 写真-4 コンクリートの浮きを診断するUAV